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Story of RE-J

AnalogComputer/CAMTAC/RE-J Project at 2002/02/06


 
小学生の頃から半田ごてを持ち、中学生でギターを弾き始め、高校生で得体のしれない音を出す楽器エレキギターに目覚めて、あれよあれよという間にいいおじさんになってしまいました。気分は10代のままですけどね。

30代なかばになった頃、ひょんなことからエレキギターと音へのこだわりが復活してしまい、よせばいいのにと言われながら試奏してしまったHughes and Kettner(ドイツの真空管アンプ)TRI AMPが我が家に置いてあります。 6ch全てが異なる音質・歪み特性を持つ、究極のこだわりアンプです。ツインリバーブのようなクリーンサウンドから、60年代風歪み、80年代風歪み、現代版Hi-Gain歪みまで、 カバーしています。 

エレキギターも、所有していたFender '79ストラトよりもっとブルージーな音色が欲しくなり、老後の楽しみに買っておいたGibson ES-335を売ってマスターグレードFenderストラトキャスター'61モデルを入手して、最強の組み合わせができたと思ったのですが、 1箇所だけどうしても許せない点が残ってしまったのです。 

それは、エレキ本体のボリュームが10の時は文句ないサウンドがでるのですが、ボリュームを8、7、5と下げたとき、音像全体が曇って存在感がなくなる点です。 もっともっとギター本体の操作に追従するサウンドがでれば言うことないのにな、こんな気持ちでした。

この点を解消するために、RE−Jの紹介記事に書いてあるように、 主にアメリカのインターネット上のエフェクターの記事を検索し、なんと日本製のエフェクターであるチューブスクリーマーが、 真空管アンプの前段に入れるブースター(あるいはプリアンプ)として、絶大なる支持を得ていて、そのチューニングノウハウの中で共通しているのが、ICを日本製のJRCに替えないといい音はでないぜ!って記述がある点なのです。 

それでは、ということで、チューブスクリーマーをチューニングするのではなく、電子スイッチ回路などの余分な部品を省略して、手作業で試作してみて、 個人的好みで低音の抜けをよくしてみながら、歪み率を押さえ気味にしてみると、まあ予想していた以上に魅力的な特性を持っているではありませんか。新アンプHughes and Kettnerにおされ、 あまり出番の回ってこなくなったFenderシルバーフェイスツインリバーブが復活してしまったほどです。

☆★☆ これで、全て解決だあ!!!!!

こりゃ、オーバードライブなんて名前を付けては失礼だ、ということで、 音の範囲・演奏の幅を拡張し、トータルで魅力的なエレキサウンドを演出する、との意味合いを含めて、 レンジ・エキスパンダーなる名前を付けました。 RE-JのJとは、Project 名の Range Expander - JRC4558D からわかるように、JRC4558Dの頭文字のJなのですが、日本の優れた部品・基礎技術を大事にしてできあがったもの、すなわちJapanを意味するJでもあります。

RE-Jは、いわゆるギーンっていう歪みではなくて、エレキらしい(アナログ感のしっかり入った)パリンっていう感じの音の立ち上がりで、 歪み具合がぎらぎらしないで最高に魅力的な音です。って口でいってもわからないとは思っているのですが..... 

強引にお店にあるオーバードライブなどと比べると、 
・低音がちゃんとでていて、よたっていない。 
・歪ませても音の抜けが抜群によい。(特に低音は濁らない。) 
・複数弦の組み合わせを弾いても、変な倍音が発生しない。 
・歪むちょっと手前にしても、音質的にやせないので使える。 
・エレキ側のボリュームを下げても、使える音が引き出せる。  などなどが大きな違いです。

どう使うべきかというと、例えばライブ先が、 どうしょうもないトランジスターアンプだったり、1ボリュームのフェンダーアンプだったりして、 歪み具合と音量のバランスがアンプ側のつまみだけではうまく制御できない場合、アンプと連動していいお仕事します。 
クリーンないいアンプだったとしても、 曲によって音のニュアンスを変える必要がある時(メローとハード)なんかに、必ずお役に立ちます。 

曲の途中で、踏みつけて音を変える考え方ではなく、 もう一つのいい音を隠し持っておき、曲間にスイッチ一つで表情を変えて演奏を続ける、あるいはエレキ本体のコントロールだけで延々飽きのこないサウンドを出し続ける、こんな場面に最適です。 

RE-Jはエレキを始めた頃からのあこがれだった、リフをがんがんに弾いても、コードワークをパーカッシブに決めても、メローなソロを弾いても、いつもなにかしら新しい音の魅力を添えてくれる、『愛器と呼べるエフェクター』だったのです。